FP相談でできることとは?無料・有料の違いや年代別に多い相談内容を紹介

2026年2月20日

  • 執筆
    小山 英斗(未来が見えるね研究所 代表/CFP®認定者)

将来のお金に対する漠然とした不安や、ライフイベントを控えた具体的な資金計画の悩みについて、「誰に相談すればいいのか分からない」と感じている人は多いのではないでしょうか。そんなとき、専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)への相談が解決への近道の一つとなるかもしれません。

本記事では、FP相談でできることの具体例や、多くの人が気になる無料・有料の違いを解説します。

FPはお金に関するホームドクター

ファイナンシャルプランナー(FP)とは、私たちの生活や人生設計に関わるお金の悩みや疑問に応える「お金の専門家」です。

FPは、ライフプラン、家計管理、住宅ローンや保険などに関する一般的な情報提供や整理・助言(制度や選択肢の説明、考え方の提示)を行います。家計やライフプランに関する身近な相談窓口として、長期的視点での資金計画づくりを支援します。税務の個別判断、投資助言・仲介、法的書類の作成等の専門領域は、各士業や登録業者の業務範囲であり、FPのみでは対応できません。そのため、必要に応じて適切な専門家への相談を案内することもあります。

FPに相談している人はどれくらいいる?データから見る利用者層

お金に関する悩みを持つ人は多い一方で、専門家に相談する人はまだ少数派なのが現状です。「みんなの銀行」が実施した意識調査(2022年)(※)によると、5人に4人がお金の悩みを抱えていますが、専門家への相談経験がある人はわずか11.2%にとどまっています。

しかし、FP相談を経験した人からは「将来の不安がなくなった」「一歩前進した感じがする」といった前向きな声が多く聞かれ、相談が生活満足度の向上に繋がっていることが示されています。

※出典:みんなの銀行「お金の悩みに関する 世代別意識調査

相談者の中心は30代〜50代

日本FP協会が実施した無料相談会「くらしとお金のFP相談室」のデータ(2024年度)(※)によると、相談者の年代別割合は、30歳代から50歳代が全体の約8割を占めています。特に50代の割合が最も多く、ライフプランや金融資産運用、リタイアメントプランに関する相談が上位を占めています。

これは、この年代が子どもの教育費、住宅ローン、そして自身の老後資金といった複数の大きなライフイベントに直面し、お金の悩みが最も深刻化する時期であることを反映しています。

※出典:日本FP協会「FP無料体験相談「くらしとお金のFP相談室」 2024年度実施状況

家計とお金の現状

FP相談の重要性を裏付けるように、公的機関による調査データは、多くの世帯がお金に対して慎重な姿勢を取りつつも、将来への不安を抱えていることを示しています。

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査」は、日本人の家計の現状を把握する上で非常に参考になります。

■金融資産の保有目的

同調査(2025年)によると、二人以上世帯の金融資産の保有目的(※)として最も多いのは「老後の生活資金」(62.3%)、次いで「病気や不時の災害への備え」(44.0%)となっています。このデータからも、多くの人が将来のリスクに備えたいと考えていることが分かります。

■重視する点

金融商品を選択する際に重視する点(※)は、「収益性」(「利回りが良いから」および「将来の値上がりが期待できるから」)が最も高く、次いで「安全性」(元本が保証されているから)、「流動性」(いつでも引き出せるから)の順となっています。

これらの統計は、FPが資産運用相談をするうえで「安全性」も重視しつつ、将来の目標に向けた「収益性」のある資産形成をどのようにバランスさせて提案していくべきかを示唆しています。

※金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)

FP相談でできることとは?

具体的に、FP相談でどんなことが相談できるのでしょうか?お金のことに関することでも、全ての相談にFPが対応できるわけではないことに注意が必要です。

FP相談でできること

FP相談でできる代表的な相談内容には以下のようなものがあります。

■ライフプラン設計

人生の節目(結婚、出産、住宅購入、転職、退職など)に合わせた資金計画を立てることができます。「これからどれだけのお金が必要か」「いつまでにいくら準備すべきか」を明確にする手助けをしてくれます。

■家計管理・家計見直し

収入・支出のバランスを整理し、無理のない貯蓄や支出プランを提案。家計簿の作り方、節約のコツ、固定費の見直しなども含めて相談できます。

■資産運用のアドバイス

NISAやiDeCoといった税制優遇制度の仕組みや活用の考え方、資産形成における基本的な考え方について解説を行います。また、「長期・分散・積立」といった一般的な資産運用の原則や、リスクとリターンの関係性を踏まえながら、「どの程度の金額を」「どのような資産区分(預貯金、株式、債券など)に配分していく考え方があるのか」といった全体像の整理をサポートします。

一方で、特定の金融商品や銘柄を指定しての売買判断や、個別商品の優劣を示すような助言は行いません。あくまで制度理解や資産配分の考え方など、判断の土台となる情報提供が中心となります。

■住宅ローン・保険の見直し

最適なローン計画や、必要な保険・不要な保険の見直し提案など。保険商品の選び方や、返済計画についても相談できます。

■老後資金・退職後の設計

例えば、65歳以上の夫婦2人の平均的支出額の参考値として月額約25万円という民間調査があります。実際の不足額は、公的年金の受給水準・預貯金・ライフスタイル等により大きく異なります。個々の状況に応じて試算し、必要に応じた備えを検討します。

※出典:生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計

■相続・贈与の対策

将来を見据えた税金対策や遺産分割の方向性などをアドバイスします。

FP相談でできないこと

税務書類の作成・具体的節税額の算定(税理士法の業務)、法的書面の作成や個別の法律判断(弁護士法の業務)、個別銘柄の推奨・売買助言や取次(金融商品取引業者等)などはFP相談の対象外です。

例えば、確定申告書の作成や具体的な節税額の算出といった税理士法で定められた税務業務は、FP資格を保有していても税理士資格がなければ対応できません。同様に、資産運用においても「どの商品を購入すべきか」「どの銘柄を売却すべきか」といった具体的な判断や取引タイミングなどの提供は、FP相談の範囲を超えるものとなります。

ただし、FPはこうした専門領域について「どの分野にどの専門家がいるのか」「どのような相談が必要になりそうか」といった整理や情報提供を行うことは可能です。

実行支援や継続的な運用サポートを希望される場合は、登録のある金融事業者(例:金融商品仲介業者、投資助言・代理業者等)や、弁護士・税理士等の士業といった適切な専門家への相談をご検討ください。

年代別に多いFP相談の具体例

FPは特定の金融商品に偏らず、相談者の立場に立って長期的かつ総合的な視点でアドバイスを行います。相談内容は多岐にわたりますが、年代によって抱える悩みの傾向は異なります。

20代・30代:ライフイベントと資産形成のスタート期

結婚・出産・住宅購入などのライフイベントが発生しやすい年代です(個人差があります)。

相談テーマ 相談内容
結婚・出産資金 どれくらい貯めるべきか、効果的な貯蓄方法は?
住宅購入 住宅ローンの適正額や金利タイプ、頭金の目安を知りたい。
教育費 将来の教育費に備えた資産形成の方法を教えてほしい。
漠然とした将来不安 NISAやiDeCoといった制度を活用した資産運用の基本を知りたい。

40代・50代:教育費のピークと老後への備え

40代以降は、子どもの教育費が最もかかる時期を迎え、同時に自身の老後資金準備も本格化させる必要があります。

相談テーマ 相談内容
教育資金 大学進学に向けた資金準備計画の見直し。
老後資金 公的年金だけでは不十分か?いつから、いくら貯めるべきか?
保険の見直し 家族構成の変化に合わせた生命保険や医療保険などの適正化。
資産運用 退職金を見据えた、より積極的な資産運用戦略の相談。

60代以降:セカンドライフの資金計画と相続

リタイアメントを迎え、それまでの資産をいかに有効に活用し、安心して暮らしていくかが重要なテーマとなります。

相談テーマ 相談内容
年金生活 年金受給額を踏まえた生活設計と、資産の取り崩し方。
相続・贈与 円満な相続に向けた一般的な留意点の整理や、生前贈与の基礎情報の説明。
介護・医療費 介護が必要になった際の資金計画や、医療保険の確認。

FP相談の「無料」と「有料」の違いとメリット・デメリット

FP相談には、主に「無料」と「有料」の2種類があります。それぞれの特性を理解し、自身の目的に合った方を選ぶことが重要です。また、どちらを選ぶにしても、FPを選ぶ際は得意分野や経験、資格(CFP®認定者など)を確認し、信頼できる相手を見つけることが重要です。

無料FP相談のメリット・デメリット

無料相談は、保険代理店や金融商品取引業者等が提供するケースがあり、結果として商品提案につながる場合があります。ただし、提供姿勢や提案方針は事業者により異なるため、事前に目的・報酬の仕組み・提案範囲をご確認ください。

メリット デメリット
・気軽に専門家に相談できる。
・家計の見直しや固定費削減のアドバイスなど、基本的なライフプランニングは受けられる。
・特定の金融商品を中心とした提案になる可能性がある。
・時間が限られている場合が多い。
・深い分析やカスタマイズした提案は難しい。

■無料相談が向いている人

  • まだ具体的な悩みが定まっていない。
  • FP相談がどんなものか体験したい。
  • 家計の全体像をざっくり把握したい。

有料FP相談のメリット・デメリット

有料相談は、相談料を対価とするため、販売手数料に依存しない助言モデルのケースが多い一方、中立性や助言の質は提供者によって異なります。事前に得意分野・報酬体系・利益相反管理の方針等を確認のうえで利用をご検討ください。

メリット デメリット
・詳細なライフプランニングが受けられる
・中立的かつ客観的な幅広い選択肢から提案を受けられる。
・継続的なサポートも受けられる
・相談料(一般的に1時間あたり数千円から1万円超、または顧問契約料)が発生する
・提案内容の質はFPによってばらつきがある。

■有料相談が向いている人

  • 教育費・老後資金などの複合課題がある。
  • 住宅ローン・相続対策など専門性が高い相談内容。
  • 継続的なサポートを望む人。

FP相談を最大限に活用するための準備とステップ

FP相談を最大限に活用するためには、事前の準備が鍵となります。

相談の目的(ゴール)を明確にする

まずは「何に困っていて、どうなりたいか」を整理します。

■具体例

「新NISAを月5万円始めたいが、家計に余裕があるか」
「定年後の生活費が月25万円必要だが、今の貯蓄ペースで足りるか」
「2026年度からの増税や社会保険料の変化が家計に与える影響を知りたい」

現状を整理する

データが正確であるほど、相談時のシミュレーション精度が上がります。以下の書類を準備しましょう。

収入の分かるもの 源泉徴収票、確定申告書の控え、給与明細など
支出が分かるもの 家計簿、クレジットカードの明細、銀行口座の履歴など
資産・負債が分かるもの 通帳、証券口座の運用状況、住宅ローンの返済予定表など
保障内容が分かるもの 生命保険・損害保険の証券など

将来のライフイベントを書き出してみる

「ライフプラン表」の元となる、ライフイベント(家族の予定)を時系列で整理します。

■ライフイベントの例

子どもの進学(私立か公立か)、住宅購入、車の買い替え、親の介護、退職時期など

相談したい内容を具体的にリストアップする

漠然とした「老後が不安」だけでなく、「65歳までに2,000万円貯めるにはどうすればいいか」「住宅ローンを繰り上げ返済すべきか、運用に回すべきか」といった具体的な質問を用意します。具体的なほど、FPからのアドバイスも明確になります。

まとめ:FP相談は「お金の不安」を安心に変える一歩

お金の悩みは、誰にも相談できずに一人で抱え込みがちです。しかし、ファイナンシャルプランナーというお金の専門家を頼ることで、あなたの家計の問題点が明確になり、将来設計に向けた具体的なアクションプランが見えてきます。

FP相談には無料と有料の違いがありますが、まずは無料相談でお試しをして、必要に応じて有料相談に進むという選び方も有効です。それぞれの特徴を理解し、あなたのライフステージや目的に合ったFPを選ぶことが重要です。

公的統計データが示すように、将来への備えは多くの人にとって共通の課題です。上手にFP相談を活用し、家計の現状把握や課題整理に役立てながら、将来に向けた行動計画づくりを進めていきましょう。

執筆者

小山 英斗

未来が見えるね研究所 代表/CFP®認定者

2018年よりFPとして独立。住宅購入・金融資産運用・ライフプラン相談に強みを持ち、年間200件超の個別相談依頼やお金に関する執筆・セミナー講演実績あり。銀行や保険などの金融機関やハウスメーカーに属さない独立した立場からのサービスを提供しています。<保有資格>CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)住宅ローンアドバイザー(一般社団法人 住宅金融普及協会認定会員)住宅建築コーディネーター(一般社団法人 住宅建築コーディネーター協会認定会員)日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー

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