株式投資の始め方|口座開設の前に知っておきたい「準備」と銘柄選びの「基本」
株式投資の始め方について検索すると、口座開設の手順や投資する銘柄の選び方など、数多くの情報が見つかるでしょう。それに従えば、誰でも比較的簡単に投資を始めることができます。
しかし、初心者がやりがちな「とりあえずネット証券で口座を作ってランキング上位の株を買う」という行動は、正解とは限りません。見落とされがちですが、株式投資を始めるなら口座開設の前の準備(特に「自分に合った戦略を練ること」)こそが実は最も重要です。
この記事では、投資を始める前にどんな準備をどうやってすればよいのか解説します。併せて、スムーズに投資をスタートできるよう、口座開設や銘柄選びのやり方についても紹介します。
株式投資を始める前の準備
株式投資は「口座を用意して株を買ってからがスタート」と思われがちですが、実はその前にやるべき準備がたくさんあります。
準備不足のまま始めると、日々の値動きに翻弄されて不安になったり、判断を誤って損失を拡大させてしまったりする可能性もあるため注意が必要です。
逆に、準備を徹底していれば、市場が大きく変化していく中でも無理なく長く安定的に投資を継続しやすくなるでしょう。
【株式投資を始める前の準備】
- 株式の基礎知識を押さえておく
- 投資の目的や目標を明確にする
- 投資に回せる金額を把握する
- リスク許容度を把握する
- 自分に合った取引スタイルを考える
投資を始めるなら、上記の準備をすべてクリアしてからにするのがおすすめです。それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
株式の基礎知識を押さえておく
検索やSNSで得た情報をもとに「とりあえず口座を開設して、なんとなく株を買う」ことも可能です。しかし、株式投資にはリターンだけでなくリスクもあります。
仕組みやリスクを理解しないままスタートしてしまうと、値下がりしたときに理由や対処法がわからず、パニックになってしまうかもしれません。
株式投資のすべてを理解することは難しくても、最低限「株とは何か」「なぜ株価が動くのか」「どんなリスクがあるのか」といった基本的な知識は必須と言えます。
特に重要な知識については、このあとの章で詳しく解説します。知識に自信がない場合はぜひチェックしてみてください。
投資の目的や目標を明確にする
投資を始める前の準備として、「なぜ投資をするのか」を明確にしておくのもおすすめです。
例えば、30年後に老後資金として使う予定の人と、10年後に教育資金として使う予定の人では、投資できる期間や最適な銘柄、取るべきリスクや狙うべきリターンなどが異なってきます。
つまり、目的が曖昧なままでは、投資戦略をうまく練ることができません。一度「何のためにいつまでにどれくらい増やしたいか」じっくりと考えてみましょう。
ぶれない目的や目標には、短期的な値動きに一喜一憂したり雰囲気に流されて投資判断したりすることを防ぐ効果もあります。
投資に回せる金額を把握する
目的や目標が決まったら、次は、今の家計の状況ならいくらまで投資に回せるのか確認してみましょう。
投資は「余裕資金(しばらく使う予定のないお金)」で行うのが基本です。生活費や近いうちに使う予定があるお金まで投資に回してしまう人もいますが、それは危険です。
相場が下落したときや急にまとまったお金が必要になったときに困るかもしれませんし、家計に悪影響が出ると焦るあまり、判断を誤って余計に損失を拡大させてしまう可能性もあります。
精神的に余裕をもった状態で、無理なく継続できる範囲で投資しましょう。そのためには、まず家計の収支や現状の貯蓄状況を正確に把握して、投資に回せる金額の上限を見極めることが大切です。
リスク許容度を把握する
「リスクとリターンは比例する」というのが投資の原則です。多くのリターンを手に入れるためには、多くのリスクを取る必要があります(ハイリスク=ハイリターン)。逆に、リスクを恐れて避けていると、期待できるリターンは小さくなります(ローリスク=ローリターン)。
どの程度のリスクに耐えられるか、どの程度のリターンが必要かは人によって大きく異なります。ただ基本的には、初心者のうちは特にハイリスクな投資は避けたほうがよいでしょう。
自分はどこまでのリスクなら許容できそうか、リスクとリターンの適切なバランスを考えてみましょう。それによって選ぶべき銘柄も大きく変わってきます。
しかし、自分で「どこまでの値下がりまで耐えられるか」を判断するのは難しいことです。頭で理解しているつもりでも、実際に含み損を抱えてみると想像以上の不安感に襲われる人も少なくありません。
この点からも、前述した投資の知識や家計の把握など、事前の準備が重要であることがわかります。「難しい」「わからない」「不安」と感じたら、専門家に相談して客観的な視点で分析してもらうのも1つの方法です。
自分に合った取引スタイルを考える
ひとくちに「株式投資」といっても、さまざまなスタイルがあります。例えば「株主優待狙いで長期投資」「値上がり益狙いで成長しそうな中小株に投資」「割安株を買う」などです。
「絶対に得をするスタイル」や「唯一正しいやり方」はありません。どの方法が向いているかが重要ですが、それは人によって違います。
市場の雰囲気や聞きかじった情報で、なんとなく取引スタイルを決める人も少なくありません。しかし無理なく後悔なく楽しく投資を続けていきたいなら、上述の投資の目的、投資できる金額、リスク許容度などを踏まえたうえで、自分に合ったやり方を定めるのがおすすめです。
このように、投資には事前準備としてやっておくべきこと、考えておきたいことがたくさんあります。「挫折しそう」「面倒くさそう」と感じる場合、最初から専門家と一緒に投資戦略を練っていくという選択肢もあります。すべてを1人で完結させる必要はありません。
知っておきたい「株式」の基礎知識
株式投資を始める前に、最低限の基礎知識を押さえておきましょう。
株式とは、企業が資金を集めるために発行するものです。株式を購入すると、その企業の株主になれます。株主は企業のオーナーであり、株主総会に出席して議決権を行使する権利や、配当金や株主優待を受けられる権利を得られます。
また、株主は自分が保有している株式を、市場を通して売却することもできます。「企業の業績がよい」「今後の成長が見込まれる」など明るい材料が多いときは、その株式を欲しがる人が増えるため、株価(株式の価格)が上がりやすくなります。
購入した金額よりも高い価格で売却できれば、値上がり益を得られます。株価は企業の業績のほか、政治・経済の動向や社会情勢、海外情勢や為替などの影響を受けて日々変動します。
株式投資の魅力・メリット
株式投資には「値上がり益」「配当金」「株主優待」など、いくつもの利益の出し方があります。そのため投資戦略の選択肢の幅が広く、自分に合った方法を選べるのが魅力です。
また、株式は預貯金などに比べて、インフレに強い資産だと言われています。これは、株価は一般的にインフレ時に上がる傾向があるためです。
さらに、株式投資にはNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の「成長投資枠」が利用できます。税金の負担を気にすることなく投資できるのもメリットの1つです。
株式投資の注意点・デメリット
必ず知っておきたい株式投資の注意点として、「確実に利益が出る」とは限らない点が挙げられます。たとえプロでも、損失が出る可能性をゼロにすることはできません。
株式投資は相場の変動の影響を大きく受けます。また、どの銘柄を選ぶかによっても成果が大きく変わってくるため、目利きできるだけの知識や分析は欠かせないでしょう。
リスクを抑えて投資したい場合は「長期・分散・積立投資」といった手法が効果的です。むやみにリスクを恐れるのではなく、理解したうえで上手にコントロールするようにしましょう。
株式投資の始め方
株式投資を始めるにはどうすればいいのか、具体的な手順について解説します。
ただし、大切なのは「口座を作ること」自体ではなく、「どんな投資戦略でその口座を運用するのか」です。これまで準備してきた内容(目的、リスク許容度、投資スタイルなど)を、実際の投資に落とし込んでいくためのステップを見ていきましょう。
【株式投資を始める際の基本的な流れ】
- ステップ1:証券会社で口座を開設する
- ステップ2:口座に入金する
- ステップ3:銘柄を選んで発注する
- ステップ4:株式を購入できたことを確認し、推移を見守る
手順自体はシンプルで、そこまで難しいものではありません。
株式投資をするには、証券会社の口座が必要です。まずは証券会社を1社選んで口座開設をしましょう。
全国に店舗を持つ対面型の証券会社もあれば、ネット証券(インターネット専業の証券会社)もあります。いずれの場合も、希望すればNISA専用の口座も同時に開設できることが多いです。
口座が用意できたら、投資に回す資金を入金しましょう。事前準備で「いくらまで投資できるか」をしっかり把握しておくと、この段階で立ち止まらずに済みます。
その後、事前に考えた戦略に基づいて銘柄を選び、注文の手続きをします。購入後は日々の価格変動に一喜一憂しすぎないようにしつつ、当初の戦略とのズレが生じていないか、ときどきチェックして見守るようにしましょう。
株式投資の銘柄の選び方
前述のとおり、株式投資ではどの銘柄を選ぶかによって大きく成果が変わってきます。どんな銘柄をどうやって選べばいいのか、初心者ほど悩んでしまうかもしれません。ここではそのヒントとして、代表的な選び方をいくつか紹介します。
【株式投資の銘柄の選び方(例)】
- 選び方1:身近な企業や応援したい企業を選ぶ
- 選び方2:配当金や株主優待の内容を見て選ぶ
- 選び方3:株価の推移や業績を見て選ぶ
- 選び方4:ポートフォリオの考え方を意識する
選び方1:身近な企業や応援したい企業を選ぶ
もっとも簡単な方法は、自分が普段利用しているサービスや好きな商品を提供している企業などから選ぶことです。
どんな事業を行っているのか理解しやすい、その企業に関する情報に気付きやすいなどのメリットがあります。「大好きな企業を応援するために株主になる」という人もいます。
選び方2:配当金や株主優待の内容を見て選ぶ
配当金や株主優待など、その株式を保有することで受け取れる特典に目を向けて選ぶ方法もあります。値上がり益を狙う方法よりも価格変動に振り回されにくく、長期的にコツコツと利益を積み重ねていきたい人にも向いています。
ただし、配当金や株主優待は将来にわたってずっと保証されているものではありません。削減や廃止の可能性もあるため、企業の業績や財務状況のチェックも行っておきたいところです。
選び方3:株価の推移や業績を見て選ぶ
銘柄分析の代表的な方法として、企業の業績や経済動向などをもとにする「ファンダメンタルズ分析」と、過去の値動きの方向性や強さなどをもとにする「テクニカル分析」の2種類がよく知られています。
業績や財務状況に関する情報は、証券会社の各銘柄ページのほか、各社のIR(投資家向け情報)サイトなどで詳しく確認できます。また、値動きの様子をグラフ化した「チャート」も公開されています。
ただ、初心者が最初から1人ですべて分析・判断しようと思うと、情報の多さや複雑さに戸惑ってしまうかもしれません。どちらの分析手法でも、正しい知識が欠かせません。
選び方4:ポートフォリオの考え方を意識する
1社だけにまとまったお金を投入するのではなく、複数に分散させることでリスクを抑えることができます。
投資先が複数なら、どれか1社が下落しても、残りの銘柄の上昇でカバーできるかもしれません。異なる業種や異なる国の銘柄を組み合わせると、さらに効果的です。
どんな銘柄をどれくらいずつ保有しているか(ポートフォリオ)を意識して、自分にとって適切な配分を考えてみましょう。
ただ、どんなポートフォリオが最適かは、目的やリスク許容度などによって変わってきます。初心者のうちは見極めや調整が難しいと感じる人が多いため、悩んだときは専門家への相談も検討するとよいでしょう。
まとめ:着実に準備して株式投資を始めよう
投資を始めるなら、まずは事前の準備が大切です。基礎知識を押さえ、投資の目的やリスク許容度を確認し、それをもとに投資額や投資スタイルを決定しましょう。口座開設の手続きや銘柄選びは、自分に合った戦略を練ってからでも遅くありません。
ただ、投資開始までの一連の流れを初心者が1人で完結させるのは一苦労かもしれません。「難しい」「わからない」「自信がない」と思ったら、最初からIFAなどの専門家に相談して伴走してもらうのも1つの方法です。
掲載コラムに関するおことわり
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