高配当株のおすすめの選び方とは?配当金生活に向けた日本の高配当株ランキングの活用法や始め方を解説

2026年5月25日

  • 執筆
    山下 耕太郎(トレーダー、金融ライター)

近年、定期的な収入を得られる投資手法として、高配当株への注目が高まっています。低金利の環境が続く中、預金だけでは資産を増やすことが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。そのような中で、配当金による安定的な収益を目指す高配当株投資は、将来の資産形成に向けた有力な選択肢の一つと言えるでしょう。


本記事では、配当金で生活を豊かにするための仕組みや、高配当株投資のメリット・デメリット、おすすめ銘柄の選び方のポイントなどを詳しく解説いたします。これから高配当株投資を始めてみたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

高配当株とは?配当金で生活を豊かにする仕組み

高配当株への投資を検討するうえで、まずはその基本的な仕組みをしっかりと理解しておくことが大切です。配当利回りの意味や計算方法、配当金が資産形成においてどのような役割を果たすのかを押さえておくことで、投資判断の精度が高まります。

高配当株の定義と配当利回りの計算方法

高配当株とは、株価に対して受け取れる配当金の割合、すなわち配当利回りが相対的に高い株式のことです。配当利回りは「1株あたりの年間配当金額 ÷ 株価 × 100」という計算式で求められます。たとえば、株価が1,000円で年間の配当金が30円の場合、配当利回りは3%となります。

高配当株とされる明確な基準は定まっていませんが、おおむね年3%から4%以上の配当利回りが見込まれる銘柄が、高配当株と呼ばれることが多いです。日本の代表的な株価指数の平均利回りが2%前後であることを考慮すると、3%以上の利回りは十分に魅力的と言えるでしょう。

平均配当利回り

項目名 前期基準 予想
日経平均株価 1.54% 1.69%
JPX日経400 1.69% 1.83%
日経300 1.64% 1.79%
プライム全銘柄 2.07% 2.28%

※2026年3月17日時点

配当金生活は実現可能?配当金投資の魅力と役割

配当金は、企業が利益の一部を株主に還元する仕組みです。この配当金を生活費の足しにしたり、趣味や旅行のための資金に充てたりすることで、日々の生活をより豊かにできる可能性があります。また、受け取った配当金をすぐに使わずに再び投資に回す、いわゆる「再投資」も有効な手段の一つです。配当金を再投資することで、長期的には資産形成に寄与する可能性があります(価格変動や配当の変化により結果は異なります)。

まとまった金額の配当金だけで生活のすべてを賄う「配当金生活」を実現するには相応の資金が必要となりますが、配当金は中長期的な資産形成において重要な役割を果たすと言えるでしょう。

高配当株投資の3つのメリット

高配当株投資には、他の投資手法にはない独自の強みがいくつかあります。定期的な現金収入が得られる点や、運用の手間が少ない点など、長期的な資産形成を目指す方にとって魅力的な特徴を持っています。以下では、代表的な3つのメリットを解説します。

配当収入(インカムゲイン)が期待できる

高配当株投資の最大の魅力は、株式を売却しなくても配当収入(インカムゲイン)を得られる可能性がある点にあります。日本の株式の場合、一般的に年2回(半年ごと)配当金が支払われることが多い傾向にあります。なお、配当額や支払いの有無は企業業績等により変動します。

株式を保有しているだけで手間がかからない

高配当株は、一度購入した後は基本的に保有し続けるだけでよく、運用に手間がかかりにくいというメリットがあります。たとえば不動産投資の場合、物件の維持管理や入居者の募集、トラブル対応など、さまざまな業務が発生します。それに対して高配当株投資は、証券口座を開設して株式を購入すれば、特別な手続きをしなくても配当金が口座に振り込まれます。そのため、本業が忙しい方にとっても、取り組みやすい投資手法と言えるでしょう。日々の相場を細かくチェックしなくてもよいため、投資に割ける時間が限られている人にも適しています

株価下落時の抵抗力が比較的強い傾向がある

一般的に、高配当株は相場全体が下落する局面において、株価の抵抗力が比較的強い傾向があると言われています。配当金が一定に保たれている場合、株価が下がると計算上の配当利回りは上昇します。そのため、株価が下落したタイミングで「利回りが高くて魅力的だ」と考える投資家からの買いが入りやすくなり、結果として株価の下値が支えられやすくなるのです。ただし、必ずしも株価が下がらないわけではないことには注意が必要です。あくまでも相対的な傾向として理解しておくことが大切でしょう。

高配当株投資で知っておきたいデメリット・注意点

高配当株投資には多くの魅力がある一方で、あらかじめ理解しておくべきリスクや注意点も存在します。投資を始める前にデメリットをしっかりと把握しておくことが、失敗を避けるための第一歩です。以下の4つのポイントを事前に確認しておきましょう。

減配・無配による株価下落のリスク

高配当株に投資する際、もっとも注意したいのが「減配」や「無配」のリスクです。現在の配当利回りは、将来にわたって約束されたものではありません。業績の悪化などにより、企業が配当金を減らす(減配)、または配当を出さなくなる(無配)可能性があります。さらに、減配が発表されると、配当を目当てに投資していた投資家が株式を売却するため、株価が大きく下落するおそれもあります。高い利回りに目を奪われることなく、その配当が持続可能かどうかを見極めることが重要です。

短期的な値上がり益(キャピタルゲイン)は狙いにくい

高配当株は、株価の大きな上昇を狙う投資には向いていない側面があります。企業が得た利益の多くを配当金として株主に還元しているということは、新規事業や設備投資など、企業の将来の成長に向けた資金に回す割合が少ないことを意味します。そのため、積極的に成長投資を行う企業と比較すると、株価の急激な上昇は見込みにくいという視点も大切です。高配当株投資は、短期での大きな利益よりも、長期間にわたって安定した配当収入を積み上げていくことに適した手法と言えるでしょう。

配当金には税金がかかる(NISA活用の推奨)

株式の配当金を受け取る際には、原則として20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金が課されます。そのため、実際に手元に入る金額は、表面的な配当利回りから計算される額よりも少なくなります。ただし、NISA(少額投資非課税制度)を活用すれば、配当金を非課税で受け取ることが可能です。効率的に資産を増やしていくためにも、NISA制度の積極的な活用をおすすめします。NISAの概要は、以下の通りです。

新NISAの概要

出典:金融庁(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html)

「権利落ち日」の株価下落に注意する

配当金を受け取るためには、企業が定めた「権利確定日」に株主として名簿に記載されている必要があります。そのためには、権利確定日の2営業日前である「権利付き最終日」までに株式を購入しておく必要があります。そして、権利付き最終日の翌日である「権利落ち日」には、配当金を受け取る権利を得た投資家が一斉に株式を売却する傾向があるため、株価が下落しやすい点に注意が必要です。一時的な株価下落に動揺せず、中長期的な視点で保有し続ける姿勢が重要になります。

高配当株のおすすめ銘柄の選び方・3つのポイント

高配当株への投資を成功させるためには、配当利回りの高さだけで銘柄を選ぶのではなく、複数の観点から総合的に判断することが重要です。ここでは、優良な高配当株を見極めるうえで特に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

表面的な配当利回りだけでなく「配当性向」を確認する

高配当株を選ぶ際は、配当利回りの高さだけで判断せず、「配当性向」を確認することが大切です。配当性向とは、企業が稼いだ純利益の中から、どのくらいの割合を配当金として支払っているかを示す指標で、計算式は以下の通りです。

  • 配当性向 = 配当金総額 ÷ 当期純利益 × 100

配当性向が高すぎる場合、たとえば100%を超えているような場合は、利益以上の金額を無理して配当に回している可能性があり、将来的な減配リスクが高いと考えられます。一般的に、配当性向が30%から60%程度の範囲であれば、配当を維持する余力があり、比較的安定していると判断する目安の一つになります。配当利回りと配当性向の両面から銘柄を評価する習慣をつけると良いでしょう。

過去の配当推移(連続増配・非減配)をチェックする

安定した配当収入を得るためには、過去の配当金の推移を確認することも重要です。一時的な要因で配当金が高くなっている銘柄よりも、長期間にわたって配当金を維持している(非減配)、あるいは少しずつ配当金を増やし続けている(連続増配)銘柄を選ぶことが推奨されます。減配せずに配当を維持・増額し続ける方針、いわゆる「累進配当」を掲げている企業は、ビジネスモデルが強固で業績に自信を持っていることが多く、長期保有に適していると言えるでしょう。過去10年以上にわたって増配を続けているような企業は、特に注目に値します。

企業の業績と財務状況を分析する

減配リスクを避けるためには、その企業の業績や財務状況が健全であるかを見極める視点も大切です。売上や利益が安定して成長しているか、自己資本比率が高く借入金に依存しすぎていないかなどを確認しましょう。業績が不安定で株価が下落した結果として、一時的に配当利回りが高く見えているだけの銘柄を避けるためにも、企業の基本的な財務の健全性をチェックすることが求められます。財務諸表や決算短信など、公表されている情報をもとに、投資判断の材料を集める習慣をつけるようにしましょう。

日本の高配当株ランキングを活用して銘柄を探す方法

優良な高配当株を効率よく見つけるためには、ランキングや各種ツールを上手に活用することが近道です。無数にある上場銘柄の中から条件に合う企業を絞り込む方法や、プロが選定した指数を参考にする方法など、実践的なアプローチをご紹介します。

スクリーニング機能を活用した絞り込み

数多くの上場企業の中から優良な高配当株を自力で見つけ出すのは大変です。そこで、ランキングやスクリーニング(条件絞り込み)機能を活用することがおすすめです。たとえば「配当利回り3%以上」「自己資本比率40%以上」「ROE(自己資本利益率)10%以上」「時価総額が一定規模以上」といった条件を設定することで、配当が高くかつ財務や収益性が比較的安定している銘柄を効率的に絞り込むことができます。日本の高配当株ランキングを上手に活用して、ご自身の条件に合う企業を探してみるのも良いでしょう。多くの証券会社のウェブサイトや金融情報サービスでは、こうしたスクリーニング機能を提供していますので、ぜひ活用してみてください。

日本の代表的な高配当株指数を参考にする

ランキングだけでなく、日本の代表的な高配当株をまとめた「株価指数」に組み入れられている銘柄を参考にする方法もあります。「日経平均高配当株50指数」などの指数は、一定の基準を満たした高配当・優良企業で構成されています。これらの指数を構成する銘柄の一覧をチェックすることで、市場で評価されている高配当株を簡単に把握することができます。こうした指数はプロの運用者によって定期的に見直されているため、銘柄選びの参考情報として非常に有用です。

「日経平均高配当株50指数」は、日経平均株価の構成銘柄の中から配当利回りの高い50銘柄を選び算出される株価指数です。配当利回りを基本にしながら、売買代金などの流動性も考慮して各銘柄のウエートを決定する「配当利回りウエート方式」を採用しています。高配当銘柄の値動きを把握するための代表的な指数の一つです。

日経平均高配当株50指数

出典:日経プロフィル(https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?cid=5&idx=nk225hdy#section-gist)

手間をかけずに高配当株へ投資するなら「投資信託・ETF(上場投資信託)」もおすすめ

個別銘柄の選定や分析に時間をかけたくない方には、投資信託やETFを通じて高配当株に投資する方法が有力な選択肢となります。少額から分散投資ができ、プロに運用を任せられる点など、初心者にも取り組みやすい特徴を持っています。

高配当株ファンド(投資信託・ETF)のメリット

個別企業の分析や銘柄選びに自信がない方、あるいは手間をかけたくない方には、高配当株を対象とした投資信託やETFを活用するという選択肢もあります。投資信託やETFを利用すれば、1つの商品を購入するだけで複数の高配当株に少額から分散投資ができます。また、企業業績の変化に応じて、商品の運用方針に基づき、指数連動または運用者の判断により銘柄の入れ替えや比率調整が行われるため、ご自身で企業の業績を常にチェックする負担を大きく軽減できるというメリットがあります。初めて高配当株への投資を検討されている方にとっても、取り組みやすい入り口となるでしょう。

個別株投資との違いと使い分け

個別株投資は、大きな値上がり益を狙える可能性があり、企業によっては株主優待を受け取れる楽しみもあります。その反面、特定の企業が業績不振に陥った場合のリスクが大きくなります。一方、投資信託やETFは分散投資によりリスクが抑えられる分、株主優待はなく、短期間での大きな利益は狙いにくい傾向があります。ご自身の投資経験やかけられる時間、許容できるリスクの大きさに合わせて、個別株とファンドを使い分ける、または組み合わせるという視点も大切です。どちらが優れているという絶対的な答えはなく、ご自身の状況に応じて柔軟に選択することが重要と言えるでしょう。

高配当株投資の始め方・ステップ

高配当株投資に興味を持ったら、実際に行動に移すための具体的なステップを確認しておきましょう。口座開設から非課税制度の活用、長期的な運用方針の設定まで、スムーズにスタートするために押さえておきたいポイントを解説します。

証券口座を開設し、非課税制度を活用する

高配当株投資を始める最初のステップは、証券会社で口座を開設することです。その際、得られた配当金や売却益にかかる税金を非課税にするために、あわせてNISA口座を開設することが強く推奨されます。なお、NISA口座で配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方式)に設定する必要があります。郵便局での受け取りや銀行口座への直接振り込みなど、他の方式を選んでしまうと課税の対象となってしまうため、設定時には十分ご注意ください。口座開設はオンラインで完結できる証券会社も多く、手続き自体はそれほど難しくありません。

長期的な視点で保有・再投資を行う

高配当株投資は、短期間で結果を出そうとするのではなく、5年・10年といった長期的な視点でじっくりと取り組むことが一般的に有効とされる考え方の一つです。受け取った配当金を生活費などに使うのも良いですが、資産形成の途中段階であれば、配当金をそのまま新たな株式や投資信託の購入資金に回す(再投資する)ことで、複利効果による資産の成長が期待できます。株価の変動に一喜一憂せず、着実に配当金を積み上げていく姿勢を保つことが大切です。焦らず着実に継続することが、高配当株投資効果が期待される取り組み方の例と言えるでしょう。

まとめ

高配当株投資は、配当収入を得ながら中長期的な資産形成を目指せる点が魅力の一つとされる投資手法です。一方で、配当額は企業業績や市場環境により変動し、減配や株価下落のリスクも伴います。配当利回りだけに注目するのではなく、過去の配当推移や配当性向、企業の財務状況などをしっかりと確認して銘柄を選ぶことが重要になります。

ご自身で銘柄を選ぶのが難しい場合は、ランキングや高配当株ファンド(投資信託・ETF)を活用するのも良い方法です。リスクや仕組みを正しく理解し、ご自身のライフスタイルに合った投資スタイルを見つけて、ぜひ第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

執筆者

山下 耕太郎

トレーダー、金融ライター

一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家・トレーダーに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。

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