【投資信託シミュレーション】500万円を一括投資した場合の10年後・20年後は?
まとまった資金があり、一括投資を検討している方のなかには「本当に一括投資で進めてよいのだろうか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。また、シミュレーションツールを活用して、将来の資産額を具体的に把握したいと考えている方も少なくありません。
一括投資は積立投資とは資金の投じ方が異なり、資産状況やリスク許容度によって向き・不向きが分かれます。
この記事では、一括投資と積立投資のメリット・デメリットをみたうえで、500万円を10年・20年運用した場合のシミュレーションを確認します。それぞれの投資方法がどのような方に向いているのかについても解説するため、これから投資を始める方の参考になるでしょう。
一括投資をする前に知っておきたい積立投資との違い
一括投資を検討するにあたって、まずは積立投資との違いを理解しておく必要があります。両者は投資のタイミングやリスクの捉え方などが異なり、運用結果にも差が生じる可能性があります。まずは、それぞれの特徴をメリット・デメリットの観点から整理し、どのような違いがあるのかを確認していきましょう。
一括投資のメリット・デメリット
一括投資とは、まとまった資金を一度に投じる手法です。運用開始時点から全額が市場に投入されるため、資金効率を高めやすい一方で、相場環境によっては価格変動の影響を受けやすい側面もあります。一括投資のメリット・デメリットは以下のとおりです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・時間と手間がかからない ・複利効果を発揮しやすい ・上昇局面では恩恵を受けやすい |
・損失を取り戻すのに時間がかかる ・一定の投資知識が前提となる |
以下でそれぞれのメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
一括投資のメリット:時間と手間がかからない
一括投資は、商品の購入が一度で完結するため、定期的な積立設定や見直しといった管理の手間がかかりにくいメリットがあります。
積立投資のように毎月の購入状況を確認したり、設定内容を調整したりする必要がなく、運用開始後の負担を抑えやすくなります。投資先を慎重に選び、長期保有を前提とした運用方針を立てておけば、年に1〜2回程度、運用状況を確認するだけで対応できるケースもあります。
そのため、仕事や家庭の事情で投資に多くの時間を割けない方にとっても、取り組みやすい投資方法といえるでしょう。
一括投資のメリット:複利効果を発揮しやすい
一括投資は、運用開始時点から投資資金の全額が運用に回るため、複利効果を活かしやすいメリットがあります。複利効果とは、運用によって得られた収益を元本に組み入れ、その元本がさらに運用されることで、利益が利益を生みながら資産が増えていく仕組みのことです。
たとえば、100万円を年利5%で複利運用した場合をみていきましょう。まず1年後には、元本100万円に対して5%の運用益が加わり、資産は105万円になります。この増えた5万円を元本に含めて再び運用すると、次の年は105万円に対して5%の運用が行われ、資産は110万2,500円へと増えていく仕組みです。
この複利効果は、運用額が大きく、かつ運用期間が長くなるほど影響が大きくなります。一括投資では、投資初期からまとまった資金を運用に充てることができるため、積立投資に比べて複利効果をより発揮しやすくなります。
一括投資のメリット:上昇局面では恩恵を受けやすい
一括投資は、市場が右肩上がりで推移する局面において効果を発揮しやすい投資方法です。運用開始時からまとまった資金を投じるため、価格が上昇した際には、その上昇幅を投資資金全体で受けることができます。
一方の積立投資は、投資資金を段階的に投入する手法のため、上昇相場においては購入時期が分散され、上昇分を十分に取り込めないケースもあります。
このように上昇相場が続く環境では、同じ運用期間・利回りであっても、投資効率の面で一括投資のほうが有利になりやすいです。実際の差については、後述するシミュレーションで確認していきます。
一括投資のデメリット:損失を取り戻すのに時間がかかる
一括投資では、投資タイミングによっては高値掴みとなるリスクがあります。購入直後に相場が下落した場合、投資資金全体が価格変動の影響を受けるため、含み損が大きくなりやすい傾向にあります。
そのため、下落局面では価格が回復するまでに時間を要することもあり、損失を取り戻すまでの期間が長期化する可能性があります。こうしたリスクを踏まえると、一括投資は価格回復までの時間も考慮したうえで、長期運用を前提に検討する必要があるでしょう。
また、特定の資産や地域に偏らないよう、複数の投資対象に分散するなどの工夫も必要です。分散投資を取り入れることで、下落局面におけるリスクを抑え、長期的な運用を続けやすくなります。
一括投資のデメリット:一定の投資知識が前提となる
前述のとおり、一括投資は投資資金を一括で投入するため、購入時のタイミングが運用結果に大きな影響を与えます。そのため、現在の相場状況をどのように判断するかといった点を含め、一定の投資知識が前提となります。
具体的には、以下のような投資知識が求められるでしょう。
- 投資信託の運用方針や投資対象(株式・債券・地域など)の違い
- 相場の上昇局面・下落局面それぞれの特徴
- 分散投資の考え方やリスクの抑え方
- 想定どおりに運用が進まなかった場合の対応方針
もし、自身で投資判断を行うことに不安がある場合は、金融の専門家から提案を受けながら進めることも有効です。第三者から客観的な意見を取り入れることで、相場環境やリスク、運用方針を整理しやすくなるでしょう。
積立投資のメリット・デメリット
積立投資とは、毎月や毎週など、定期的に一定額を投じる手法です。購入時期を分散しながら投資を行うため、価格変動の影響を平準化しやすい特徴があります。一方で、一括投資と比べると資金を段階的に投入することになるため、運用効率に差が生じる場合があります。
以下で積立投資の主なメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
積立投資のメリット:少額から始められる
積立投資は、毎月一定額を投資する仕組みのため、まとまった資金を用意しなくても始めやすい点が特徴です。金融機関や商品によっては、100円程度から投資を行える場合もあり、手元資金に余裕がない方でも段階的に資産形成を進めることができます。
また、一度に大きな金額を投じる必要がないため、投資に不慣れな方でも心理的な負担を抑えながら取り組める点もメリットといえるでしょう。まずは少額で投資の仕組みや値動きを経験したい方にとって有効な選択肢となります。
積立投資のメリット:リスク分散ができる
積立投資は、定期的に一定額を投資することで購入時期を分散できる特徴もあります。価格が高いときには少なく、価格が下がったときには多く購入する仕組みとなるため、購入価格を平準化しやすくなります。
たとえば、Aという投資信託を毎月1万円ずつ購入するとしましょう。その場合、基準価額が1万円の月は1口、5,000円の月は2口、2万円の月は0.5口を購入することになります。このように購入価格を分散することで、一時的な高値でまとめて購入してしまうリスクを抑えやすくなります。
また、自動的に積み立てが行われる仕組みのため、相場の値動きに過度に左右されにくく、精神的な負担を抑えながら運用できる点も積立投資の特徴といえるでしょう。
積立投資のデメリット:短期間で大きな利益につながりにくい傾向
積立投資は、毎月一定額を投資する仕組みのため、投資初期の運用額が小さくなります。そのため、運用開始直後に相場が上昇していても、利益の伸びは限定的になりやすい点がデメリットです。
一方の一括投資であれば、長期運用を前提とするものの、市場環境によっては運用開始後の早い段階で大きな利益を得られるケースも珍しくありません。
このような特徴から、積立投資は短期的な利益を狙うよりも、時間をかけて資産形成を行う長期運用に向いた手法といえるでしょう。
積立投資のデメリット:価格が一方向に動く相場では効果を発揮しにくい
積立投資は、価格が一方向に動く相場では、その効果が十分に発揮されない場合があります。
たとえば、資産価格が長期間にわたって下落し続ける局面では、購入を重ねるごとに投資額が増えますが、相場がさらに下落すると含み損が拡大しやすくなります。このような相場環境では、価格が回復するまでに時間を要するケースも少なくありません。
積立投資は価格変動を平準化する効果がある反面、相場の方向性によっては不利に働くケースがある点も理解しておく必要があるでしょう。
500万円を投資信託で10年・20年運用した場合のシミュレーション
一括投資と積立投資では、同じ金額を投資した場合でも最終的な資産額に差が生じる可能性があります。
ここでは、500万円を投資信託で運用した場合を想定し、10年・20年という期間で積立投資と一括投資それぞれのシミュレーション結果を確認していきます。
※本シミュレーションは一定の利回りを仮定したものであり、実際の運用成果を保証するものではありません。
積立投資の場合
まずは、以下の条件で積立投資を行った場合の10年後の資産額を確認します。
- 毎月の積立額:4万1700円
- 想定利回り:年利2%・5%・8%
- 最終投資元本:500万4,000円
この条件で積立投資を行った場合のシミュレーション結果は以下のとおりです。
| 想定利回り | 10年後の最終資産額 |
|---|---|
| 年利2% | 552万9,287円 |
| 年利5% | 643万6,944円 |
| 年利8% | 751万1,182円 |
次に以下の条件で、20年間運用した場合の最終資産額をみていきます。
- 毎月の積立額:2万900円
- 想定利回り:年利2%・5%・8%
- 最終投資元本:501万6,000円
| 想定利回り | 20年後の最終資産額 |
|---|---|
| 年利2% | 614万9,440円 |
| 年利5% | 848万1,314円 |
| 年利8% | 1,189万2,081円 |
10年運用では、利回りによって資産額に差は出るものの、その差はまだ大きくはありません。一方、20年運用では運用期間が長くなる分、利回りの違いが資産額に反映されやすくなり、最終的な金額の差も大きくなっていることがわかります。
一括投資の場合
続いては500万円を一括投資し、10年間運用した場合と20年間運用した場合の最終資産額をみていきましょう。条件は以下のとおりです。
- 初期投資額:500万円
- 年利:2%、5%、8%
まずは10年間運用した場合の最終資産額です。
| 想定利回り | 10年後の最終資産額 |
|---|---|
| 年利2% | 609万4,972円 |
| 年利5% | 814万4,473円 |
| 年利8% | 1,079万4,625円 |
次に同じ条件で、20年間運用した場合の最終資産額をみていきます。
| 想定利回り | 20年後の最終資産額 |
|---|---|
| 年利2% | 742万9,737円 |
| 年利5% | 1,326万6,489円 |
| 年利8% | 2,330万4,786円 |
一括投資では、運用開始時から全額が市場に投じられるため、10年運用であっても想定利回りの違いによって最終資産額に大きな差が生じています。さらに20年間運用した場合には、その差がより大きくなり、元本を上回るリターンとなる可能性もあります。
同条件で比較すると一括投資のほうが資産額が伸びやすい
前述のとおり、積立投資と一括投資それぞれ同じ条件のもとでシミュレーションを行った結果、一括投資のほうが資産額が伸びやすいことが確認できました。
これは、一括投資では運用開始時点から500万円全額が市場に投入されるためです。資金が早い段階から運用に回ることで、複利効果が早期から働きやすくなります。
実際に運用期間20年、年利5%という条件で比較した場合、積立投資と一括投資の最終資産額には約500万円の差が生じています。この差は決して小さなものではなく、老後資金や将来の選択肢に大きな影響を与えることになります。
運用期間が長期になるほどこの差は拡大しやすく、一括投資を検討する際の大きな判断材料となるでしょう。
【一括投資・積立投資】それぞれ向いている人の特徴
ここまで、一括投資と積立投資の仕組みやメリット・デメリット、さらに500万円を用いたシミュレーション結果をみてきました。
どちらが優れているかは一概にはいえず、保有している資産状況や運用期間、価格変動に対する考え方によって適した投資方法は変わります。ここでは、一括投資と積立投資がそれぞれどのような方に向いているのかみていきます。
一括が向いている人
一括投資が向いている方の主な特徴は、以下のとおりです。
- まとまった資金があり、余裕資金で運用できる方
- 価格変動に動じにくく、長期目線で運用できる方
- 複利効果を活かし、資金効率を重視した運用を考えている方
一括投資は、投資資金をまとめて投入するため、当面使う予定のない資金で運用できることが前提となります。そのため、生活費や緊急時の資金を確保したうえで投資できる方に向いた手法といえるでしょう。
また、運用開始直後には相場の上下によって評価額が大きく変動する場面もあることから、短期的な値動きに一喜一憂せず、当初の方針を維持できるかどうかも重要なポイントです。
加えて、一括投資は複利効果を発揮しやすい仕組みのため、資金効率を優先した運用を検討している方にも適した投資方法といえるでしょう。
積立が向いている人
一方で、積立投資が向いている方の特徴は以下のとおりです。
- 少額から投資を始めたい方
- 購入タイミングを分散しながら運用したい方
積立投資は、毎月少額から投資を始められる仕組みのため、まとまった資金を用意する必要がありません。投資経験が浅い方でも取り組みやすく、無理のない金額から投資に慣れていく方法として選ばれるケースも多いです。
また、購入タイミングを分散し、価格変動の影響を一度に受けにくくしたい方にも適した運用手法といえるでしょう。
一括投資はIFAに相談してから始めよう
これまでのシミュレーション結果をみてみると、一括投資は、同じ利回り前提の場合、早期に資金が運用に回ることから資産が伸びやすいケースもあります。一方で、一括投資は投資タイミングや商品選定が運用結果に与える影響が大きい投資手法でもあります。
購入時点の相場環境によっては、想定よりも価格変動の影響を受けることがあり、一定の投資知識や判断力が求められます。
こうした点に不安がある場合は、投資の専門家であるIFAに相談しながら進める方法も選択肢の一つです。
IFAは、特定の銀行や証券会社に直接所属せずに活動する投資アドバイザーです。複数の金融機関の商品を取り扱っているケースもあり、取り扱い範囲の中で幅広い選択肢から検討しやすい点が特徴です。
一括投資を検討するうえで、投資判断や進め方に迷いがある場合は、専門家であるIFAに一度相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
500万円を一括投資で10年・20年運用したシミュレーションでは、同じ利回り条件で比較した場合、積立投資よりも最終資産額が大きくなる結果となりました。
一括投資は、運用開始時から資金全体を市場に投入できるため、複利効果を発揮しやすく、資産が増えやすい特徴があります。一方で、投資タイミングや相場変動の影響を受けやすく、運用にあたっては一定の判断力が求められます。
投資判断に不安がある場合は、必要に応じてIFAなどの専門家の力を借りながら、自身に合った方法で資産形成を進めていくことが大切です。
掲載コラムに関するおことわり
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